財務リスクとは?財務に関するリスクの種類を徹底解説

財務リスクとは?財務に関するリスクの種類を徹底解説 財務リスク

企業は仕事による収益の効率化を考えることも大事ですが、あらゆるリスクも想定して対策を考えておくことが大事です。
リスク管理をしっかり行っておかなければ、収益を得ていても1つの損失で大赤字を出してしまうことになります。

そのため、いろいろな業務でリスク管理をする必要がありますが、その中に財務管理があります。
財務リスクをしておくことは企業にとって大事なことですが「どのような種類や管理をすべきなの?」と疑問を感じる人もいるでしょう。財務リスクを行う上でリスクの種類と対策を解説します。

財務リスクとは?

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企業には様々なリスクがありますが「財務リスクとは何か?」と疑問を感じる人もいるでしょう。
財務リスクとは、主に企業の運転資金の調達や投資による損失などで発生するリスクです。
企業は事業の拡大を行う際に多くの資金を投資することがあります。

その投資金額に見合った成果を収めることができれば莫大な利益を得ることができますが、もし失敗してしまったなら多くの損失を被ることになり、経営破綻してしまうことになります。
また、事業拡大や商品の購入などには多くの資金が必要になることもあるでしょう。

その際は、資金調達をすることになりますが、キャッシュフローや返済計画をしっかり立てておかないと、黒字でも倒産する可能性があります。

また、金利や為替変動などによって購入していた通貨や不動産などの価値が暴落して経営難に陥ってしまうこともあります。
このように企業経営には財務リスクがいろいろ生じる可能性があるため、しっかり確認して対策を立てておくことが大事です。

財務リスクの種類とは?

財務リスクをしっかり確認しておかないと,経営が破綻して倒産してしまうリスクがあります。
ただ「どのような種類があるの?」と疑問を感じる人もいるでしょう。
財務リスクには以下のような種類があります。

市場の変動によるリスク

財務リスクには市場の変動によるリスクがあります。
市場にはいろいろな種類があり、例えば株式や商品、金利などです。
これらの市場価格は常に一定ではなく評価額によって変動しています。
そのため、経済の動きによって価格が上昇することもあれば、下降することもあります。

もし、価格が上昇しているなら収入が増えるので利益が上がり問題ないですが、下落ちしているなら利益が減ってしまい企業の収益が減少することになるでしょう。
例えば、商品販売している企業だと必要な部品の価格が値上がりするだけで、売却利益が減ることが予想されます。

部品の価格分だけ商品を値上げするなら、売却数が減少して利益の低下を招くこともあるでしょう。
このように市場の価格変動によって企業の財務も大きなダメージを受ける可能性があります。

為替レートのリスク

為替レートのリスクは通貨などの変動によって、外貨建て資産や負債の自国通貨算額が変化して予想外の損失を被ることがあることです。
通貨も常に変動しており、各国の出来事や経済状況によって価格が変化します。

常に一定ではないので、その変動を常に確認しておくことが大事です。
例えば、外国に不動産を持っているなら、その国の通貨が暴落した際に不動産の価値も大きく下がることがあります。

また、ある国から商品や部品を輸入しているなら為替の変化によって、売上に影響が出ることもあるでしょう。
為替は外資系の企業や海外と連携している企業などは財務リスクの影響を受けることが考えられるため、常に外国の事情や経済状況の確認をしておくことが大事です。

信用リスク

信用リスクは信用供与先の財務状況が悪化することによって、資産の価値が減少して消失し、損失を被るリスクがあることです。
企業は有価証券や提携先、国の機関などと取引しており、ビジネスに役立てていることでしょう。
しかし、取引先が財政難や経営不振などの理由によって債務不履行になってしまえば、支払われるはずだった利息や収入、商品を得ることができないことがあります。

もし、信用供与先が大きな経営難となっているなら、今後の取引にも大きな影響を及ぼしますし、倒産するなら利益を得ることができずに大損害になることも考えられます。
自分が取引している有価証券や会社、国の機関の財務状況や経営状態は常に把握しておかないと、自社の財務リスクにつながるため注意しておきましょう。

流動性リスク

信用リスクの1つに流動性リスクもあります。
流動性リスクとは金融機関の資金調達に関わるリスクのことであり、支払い義務に対して必要な資金確保ができなくなることです。
企業は経営を安定させるために銀行などの金融機関を利用して、資金調達できる手段を構築しているでしょう。

企業の事業拡大や投資によっては莫大な資金が必要な場合もあり、その時は資金の補填をする必要があります。
資金調達が円滑に行えることで企業の財務状況をやり繰りさせることが可能ですが、もし提携している金融機関が停止や消滅してしまうなら、大きな問題となります。

資金調達ができなくなることで、事業に必要だった費用を支払えなくなる、また会社の資金が無くなってしまい、必要経費を支払うことができないなどのリスクを負う可能性が生じるからです。
資金調達は企業の活動を安定させるのに必要なため、流動性が滞ることで自社の財務状況が悪化することも覚えておきましょう。

財務リスクを軽減させるための対策とは?

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財務リスクは企業にとって把握しておくべきポイントです。
ただ「どのように財務リスクによる対策を行えるか?」と悩んでしまうこともあるでしょう。
財務リスクを軽減させるためには以下のポイントを把握しておきましょう。

赤字にならないように資金調達を行える経路を準備

企業は赤字にならないように資金調達の経路を整えておくことが大事です。
企業の経営状態が良く黒字続きだったとしても、キャッシュフローによっては倒産するリスクもあるためです。
例えば、事業を成功させて収入が入ってくるとしても、直ぐではなく3~4ヶ月後に入金されることもあります。

このように入金日が後になることが多いほど、会社の資金がなくなってしまって経営が困難になることもあります。
また、支出が売上を大きく上回る赤字が続くなら資金不足が生じて必要な経費の支払いを行うことが難しくなるでしょう。
赤字状態が続けば金融機関からの追加融資も難しくなります。

そのため、ある程度売上が伸びて黒字状態のときに金融機関と提携して、資金調達ができる状態にしておくのはおすすめです。
また、できれば1社ではなく複数の金融機関と提携しておくことで資金調達を円滑に行えるようになります。
また、資金調達は銀行などで融資を依頼する以外に例えば、自治体の補助金や助成金の活用、またファクタリングなどを使用することにより、資金調達を行って財務管理ができます。
財務リスクとして,まずは赤字対策に資金調達の経路を確立させておきましょう。

予算管理を構成する

財務リスクの対策として、予算管理を行うことができます。
予算管理は企業の利益や目標の達成のために作成した予算を管理することであり、必要な経費などを予測しておくことが大事です。
予算管理を行う際は売上予算と原価予算、経費予算、利益予算について考えておくことが大事です。
それぞれ紹介しましょう。

売上予算

売上予算は会社が定めている売上目標です。
過去の実績データや経営陣の目標数値を元にして今後の予測を立てます。
過去の売上を超える,目標数値が理想とされており、前年度の売上成績を元に行います。
売上予算の目標設定によって、会社がどれだけの収益を得られるのか先に予想しておくなら、どのくらいの資金が入ってくるのか分かります。

ただ、売上予算は予想という部分もあるので、その収益額を得られない可能性があることを考えておくべきです。
特に、市場の動向や情勢、為替などは売上に大きな影響を与えるため、分析をして自体が悪化したなら再度見直しをして、予算の調整を行うことが大事です。
売上予算をしっかり行うことは財務リスクをより回避するために必要なことです。

原価予算

原価予算とは売上予算達成のために必要な原価の合計です。
生産計画と同時期に立てることが理想であり、商品の原材料や仕入れなどの会社が購入している物の原価を算出します。
そして、原価予算は企業が行っている事業によって大きく金額が変わってくるでしょう。

例えば、サービス業なら売却した商品の金額には人権費や外注費などの予算が加わることがあります。
しかし製造業なら、製品の製造に必要な材料や部品の仕入れにかかった金額になるため、原価予算は事業内容で経費が違います。

また、原価予算は売上によって必要となる原価が変動するため、経済状況や為替の影響によって費用が高くなったり安くなったりします。
この点を考えて原価予算を計算して会社の資金は大丈夫なのか考えるようにしましょう。

経費予算

経費予算とは企業が事業活動していくために必要な売上以外の予算のことです。
事業活動には様々な経費がかかり、例えば事業所の家賃や光熱費、通信費、従業員がいるなら固定給の支払いも発生するため、それぞれの経費を事前に計算しておくことが重要です。

経費予算が売上予算を超えてしまうようだと会社経営が難しくなるため、経費の金額が大きいなら対策を練る必要があるでしょう。
オンラインや材料費などでコストカットできるようなら、費用負担を軽減させることも可能です。

また、人件費がかかり過ぎているなら、その部分をコストカットすることも考えることができるでしょう。
経費予算は市場の影響を受けにくく、自社の経営状態を改善することができることで管理することが可能です。
そのため、無駄な経費がかかっていないか常に確認して無駄な出費を減らすことができれば、財務リスクも軽減できるでしょう。

利益予算

利益予算は目標達成の目安を算出した予算です。
企業は事業を行って利益を得ることが最大の目的です。
どれだけ利益を得られるかによって会社の今後の活動拡大に大きな影響を及ぼすことになるため、利益予算はしっかり計算しておくようにしましょう。
利益予算は売上や原価、計算予算を考慮し、売上から原価と経費を差し引いたもので算定します。

算定した数字が大きくほど利益を得られることになり、会社に資金を貯めることが可能です。
また利益を得られるほど事業を拡大してさらに大きな利益を狙うことも可能なので、利益予算はできるだけ大きな数字になるように経営側も工夫することが大事です。

利益は商品やサービスの収益を増やすことで伸ばすこともできますが、原価や経費をコストカットすることで出せるケースもあります。
会社の利益を出すための案を考えてください。

財務リスクはしっかり把握しておこう

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財務リスクの内容について紹介してきました。
財務リスクは、いろいろな部分を考慮しておくことが必要であり、もし管理できていないなら、企業が大赤字になり経営破綻してしまうこともあります。
どのようなことが影響で資金難に陥る可能性があるのか分析しておき、その対策を立てておくようにすることが経営を継続させるポイントにもなります。
ぜひ、経営側は財務リスクについても把握しておくようにしましょう。

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